水防工法の種類と目的

※災害原因に応じた利用方法は下記のとおりです。
 「赤字は、よく使用される工法です。

原因 工法 工法の説明 利用河川など 主要資材

越水

積み土のう工法 ・堤防天ばに土のうを数段積み上げる。 一般河川 土のう、杭、土砂
改良積み土のう工法 ・堤防天ばに土のうを数段積み上げ、防水シートをあて土のうからの漏水を防止する。

一般河川
(急流河川)

土のう、防水シート、杭、樋
せき板工法 ・堤防天馬ばに杭を打ち込みその前面に板を釘付けする。

都市周辺河川
(土のう入手困難)

せき板(鉄板)、杭
鋼板防護工法 ・堤防天ばに支柱を鋼板に通して打ち込む。

一般河川
(急流河川)

鋼板、杭(単管パイプなど)
蛇かご積み工法 ・堤防天ばに蛇かごを置く。(土のう代用品、漏水防止のため防水シートを活用する。) 急流河川 鉄線蛇かご、玉石、防水シート

連結式水のう工法
(水マット工法)

・堤防天ばに水のう又は水マットに水を注入して置く。

都市周辺河川
(土のう入手困難)

土のう、固定用杭、可搬ポンプなど
護岸裏のり積み土のう工法 ・胸壁護岸の裏のり側から底部を低く土のうを積み重ねる。 胸壁護岸河川 土のう

漏水

(浸透)

川裏 釜段工法(釜築き、釜止め工法) ・裏少段、裏のり先平地に円形に積み土のうにする。 一般河川 土のう、防水シート、杭、樋
鋼製釜段工法 ・裏少段、裏のり先平地に鉄板を円筒形に組み立てる。

都市周辺河川
(土のう入手困難)

鉄板、土のう、樋
月の輪工法 ・裏少段、裏のり先にかかるように半円形の積み土のうにする。 一般河川 土のう、杭、樋
鋼製月の輪工法 ・裏少段、裏のり先平地に鉄板を半円筒形に組み立てる。

都市周辺河川
(土のう入手困難)

鉄板、土のう、杭、樋
川表 詰め土のう工法 ・川表のり面の漏水口に土のうなどを詰める。

一般河川
(水深の浅い部分)

土、杭
シート張り工法 ・川表のり面の漏水口に防水シートを張る。

一般河川、
都市周辺河川

土のう、防水シート、杭、ロープ
畳張り工法 ・川表のり面の漏水口に畳を張る。

一般河川
(水深の浅い部分)

畳、ロープ、鉄板、土のう、樋
決壊

シート張り工法、
畳張り工法

・川表のり面の漏水口に防水シート、畳を張る。 芝付き堤防で比較的暖流 漏水防止と同様

木流し工法、
竹長し工法

・樹木(竹)に重り土のうを付けて流し、局部を被覆する。

急流河川、
砂利堤防

立木、土のう、ロープ、鉄線、杭

立てかご工法

・表のり面に蛇かごを立てて被覆する。 急流河川 鉄線蛇かご、詰め石、鉄線、杭

立てかご工法(フルコン砂筒袋工法)

・表のり面に蛇かご代用フルコン砂筒袋を立てて被覆する。 急流河川 フルコン砂筒袋、土のう、ロープ、杭

水防T型マット工法

・表のり面にT型マットを被覆する。 急流河川 水防T 型マット、土のう、ロープ、杭

鋼製マット張り工法

・表のり面に鋼製マットを被覆する。 急流河川(シート、土のうなどが入手困難) 鋼製マット、ロープ、杭

竹網流し工法

・竹を格子型に結束し土のうを付けて、のり面を被覆する。 緩流河川 竹、土のう、ロープ、杭

わく入れ工法

・深掘れ箇所に川倉、牛わく、鳥脚などの合掌を水に投入する。 急流河川 わく組、割石、板、土のう、釘

築(つ)きまわし工法

・堤防の表が決壊したとき断面の不足を裏のりで補うため杭を打ち、中詰めの土のうを入れる。 凸側堤防他の工法と併用(シート張り工法など) 杭、割竹、板、土のう、釘

矢板締切工法

・堤防の両面に木矢板を打ち込み、その中間に土砂などを充填する。

一般河川、
小規模の破堤

杭、矢板、土砂、釘
天ば亀裂

折り返し工法

・天ばの亀裂を挟んで、両肩付近に竹をさし、折り曲げて連結する。 粘土質堤防 竹、土のう、ロープ

杭打ち継ぎ工法

・天ばの亀裂を竹の代わりに杭を用い鉄線でつなぐ。 砂質堤防 鉄線、杭
継ぎ縫い工法 ・亀裂が天ばから裏のりにかけて生じる場合で、両端に杭を打ち、竹で連結して土のうで押さえる。 砂質堤防 鉄線、杭、竹、土のう