ひとこと

 近年、異常気象の発生が目立ちます。異常気象の原因は、「地球で周期に発生する自然現象なのか」、それとも、「私たち人間が原因となる地球温暖化なのか」不明なところではあります。しかし、地球環境の破壊が何らかの関わりを持っているのは確かだと思います。

 

 世界的に発生している異常な気温上昇や低下は、今後、私たちの生活を脅かすことになるでしょう。
 一人ひとりの生活が、自然破壊の作用をもたらしていることに気付きましょう。
 地球で周期に発生する大地震を懸念する以上に、熱波・寒波に警戒する必要があると思います。

 

 


熱中症、日射病、熱射病、脱水症状

注意すること 対策 応急処置
乳幼児

・新陳代謝が活発であり、また、汗や尿の排泄が多いため、脱水を起こす。

 

・自律神経の働きが未熟であるため、放熱や発汗による体温調節ができない。

 

・ベビーカーなど地面からの熱を直に受けやすい。

 

・数分でも車内放置はしない。

・室内では冷房をかける

 

・水分補給をこまめに摂る。(塩分補給を忘れない)

 

・外出は、日光を遮る帽子や日傘を着用する。

 

・放熱できる素材や熱を吸収しにくい衣服を選択。

 

・不必要な外出は控える。

 

※車内で寝ているうちに買い物など、数分であれば大丈夫という考えは止めてください。

・室内や車内などエアコンがある涼しい場所へ移動させる。そのような場所がなければ、風通しの良い日陰に移動させる。

 

・衣服を脱がし、体の熱を放出させる。氷枕や保冷剤で両側の首筋、わき、足の付け根など動脈が通う場所を冷やす。さらに、うちわや扇子などで仰ぐこと。

 

・水分と塩分を同時に補給できるスポーツドリンクを飲ませる。しかし、嘔吐や意識がない場合は、水分が誤って気道に入る危険性があるため、無理矢理、水分補給させない。

 

※意識の低下、けいれん、嘔吐症状があれば、すぐに119番し救急車を呼ぶこと。

児童・中高生

・屋外授業、部活は熱中症リスクが高い。

 

・応援は、長時間立ったまま、大声で叫んで興奮すると体温上昇する。

 

・通学や帰宅中は、直射日光が当たらないよう、日陰を利用し、必ず帽子を着用すること。

・室内では冷房をかける

 

・水分補給をこまめに摂る。(塩分補給を忘れない)

 

・屋外では、日陰を利用する。

 

・日光を遮る帽子を着用する。

 

・体力作りは無理せず、徐々に行うこと。

 

※担当者は授業前、授業中、授業後に必ず体調を確認すること。また、生徒同士にバディーを組ませるなど、体調を確認させる。

大人

・疲労、睡眠不足、風邪などで体調不良の時は、無理に運動するのは止める。

 

・運動不足の人や肥満の人は熱中症を起こしやすい。

・体力作りは無理せず、徐々に行うこと。

 

・室内では冷房をかける

 

・水分補給をこまめに摂る。(塩分補給を忘れない)

 

・屋外では、日陰を利用する。

 

・外出は、日光を遮る帽子や日傘を着用する。

 

・放熱できる素材や熱を吸収しにくい衣服を選択。

 

・不必要な外出は控える。

高齢者

・体温の調節機能が落ちていくため暑さを自覚しにくく、熱を逃がす体の反応や暑さ対策の行動が遅れる。

 

・外出時は、体への負荷が高まることに加え、汗で水分が失われ、日差しや熱の影響を受けやすい。

 

・入浴時や就寝中にも水分は失われているため、気づかないうちに熱中症にかかることがある。入浴後は、必ず水分を摂る。

・室内環境を知るため、気温・湿度計、熱中症計などをりようする。

 

・室内では冷房をかける

 

・水分補給をこまめに摂る。(塩分補給を忘れない)

 

・屋外では、日陰を利用する。

 

・外出は、日光を遮る帽子や日傘を着用する。

 

・放熱できる素材や熱を吸収しにくい衣服を選択。

 

・不必要な外出は控える。

 

※いつもと様子が違う場合は、体温を測る。しかし、ぐったりしている場合や高熱であれば、医療機関への相談や119番通報すること。

低体温症

重症度 症状 応急処置

軽度低体温
35℃〜32℃

・身体が震え(ジバリング)ている。

 

・顔色が悪く、唇が紫色になっている。(チアノーゼ)

 

・下記は低体温症に陥りやすい

1 子ども、高齢者


2 負傷している


3 栄養不足と水分不足


4 糖尿病・脳梗塞など神経系の病気がある


5 体調不良・疲労

・乾いた衣類を重ね着する。また、帽子を着用する。
(保温素材:ウール、ポリプロピレンなどの合成繊維を着用する。)

 

・室温を徐々に上げていく。

 

・毛布、布、新聞紙、段ボールを利用する。

 

・人同士で密着する。
(人の発熱量:約120W)

 

・手足の付け根付近を暖かいペットボトルなどで暖める。

 

・水分の補給。(脱水症状を防ぐ)

中等度低体温
32℃〜28℃

・身体の震え(ジバリング)が止まる。

 

・動作が遅くぎこちなくなる。

 

・反応の時間が鈍くなる。

 

・思考がぼんやりする。

 

・判断力が損なわれる。

・保温を維持する。

 

※絶対に動かさない。また、手足を温めるためのマッサージなどは、冷たい体液が心臓などに流れるため、ショック症状を引き起こす可能性がある。

高度低体温
28℃以下

28℃〜25℃

 

・錯乱、幻覚

 

・イレウスを起こす

25℃〜20℃

 

・昏睡、仮死

 

・筋硬直、イレウスを起こす

・救命処置
(呼びかけに応答がなく、呼吸停止していれば、心臓マッサージを実施する。)

20℃以下(18℃で心停止)

 

・死亡

※危険信号(色分け)・・・「」注意、「」警告、「危険

 

アルコールは、一時的に血管を拡張するため、温まったように感じます。しかし、実際には放熱作用が多いため、すぐに体温が下がります。
 また、コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲料は利尿作用があり、脱水症状を起こす可能性があります。

 

熱波・寒波が発生する時期など

 熱波:6月〜9月

 

 寒波:1月〜3月

誘発する災害及び負傷程度

 熱波:火災、(熱中症 熱射病、 脱水症状)

 

 寒波:豪雪、積雪、雪崩、凍結、(凍傷)

災害対策用品

基本装備
熱中症対策用品寒さ対策用品

 

主な装備

災害活動者(消防、消防団、警察、自衛隊、医療従事者、ボランティア)

基本装備
熱中症対策用品寒さ対策用品救急・医療用品

 

避難者

基本装備
熱中症対策用品寒さ対策用品防災セット

 

もっと知しりたい

熱波(大熱波):

 通常、中緯度地域に吹く偏西風などの大規模な風は、数時間毎に風速や流れが変わりますが、このように同じ天候が長時間続き、低気圧あるいは高気圧が移動せず停滞する気象現象をブロッキング現象といいます。一度、ブロッキング現象が起こると同じような天候が長時間継続するため中緯度地域に暖かい風が次々と入り込み、晴天が続くとともに気温が上昇(湿度下降、乾燥)していきます。
 本来なら気温が上がっても翌日に気温を持ち越さないよう放射冷却が働きます。しかし、ブロッキング現象では放射冷却が満足に働かず、翌日まで気温を残し、日に日に気温は上がっていきます。

寒波(大寒波):

 北極の高緯度、中緯度地域では、上空の冬の寒気は非常に冷たい低気圧で、「極渦」と呼ばれています。「極渦」が強まっている場合は、寒気が北極上空に閉じ込められ、その周囲を取り巻く偏西風は安定しています。しかし、極渦が弱くなると、周囲を取り巻く偏西風が蛇行し、寒気が高緯度、中緯度地域に流れ込むことで寒波が発生します。 
 低緯度地域は夏の寒波が見られませんが、高緯度地域は稀に夏でも寒波に見舞われることがあります。