阪神・淡路大震災〜震災について考えよう〜
阪神淡路大震災は、平成7年(1995年)1月17日5時46分52秒に兵庫県淡路市北部沖を震源(野島断層)とし、マグニチュード7.3とする兵庫県南部地震が発生しました。この地震は、内陸で発生した直下型地震と言われています。
死者6,434人という尊い命と、行方不明者3人、負傷者43,792人(重傷10,683人、軽傷33,109人)、住戸は全壊が約10万5000棟、半壊が約14万4000棟など、被害総額10兆円という莫大な財産が失われました。
私たちは、この震災を乗り越え、体験や教訓を糧とし、災害の備えや発生後の初動について、多くのことを学びました。しかし、今、懸念されるのは、大規模な災害ではなく、体験や教訓したことが、風化されることだと思います。地震は、自然現象であり、完全に防ぐことは困難です。
私たちには、防災や減災する努力が必要です。
日々考えるのは難しいかもしれませんが、震災の日や防災の日などで、今一度、何が必要か考えてみませんか。
地震の避難目安表
階級 | 人間 | 屋内の状況 | 屋外の状況 | ライフライン |
---|---|---|---|---|
5弱 |
・多くの人が身の安全を守ろうとする。
・一部の人は行動に支障を感じる。 |
・つり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器棚、書棚の本が落ちることがある。
・座りの悪い置物の多くが倒れ、家具が移動することがある。 |
・窓ガラスが割れて落ちることがある。
・電柱が揺れるのがわかる。
・補強されていないブロック塀が崩れることがある。
・道路に被害が生じることがある。 |
・安全装置が作動し、ガスが遮断される家庭がある。
・まれに水道管の被害が発生し、断水することもある。(停電する家庭もある。) |
5強 |
・非常に恐怖を感じる。
・多くの人が行動に支障を感じる。 |
・棚にある食器棚、書棚の本の多くが落ちることがある。
・テレビが台から落ちることがある。
・タンスなど重い家具が倒れることがある。
・変形によりドアが開かなくなることがある。(ドアが外れる。) |
・補強されていないブロック塀の多くが崩れる。
・自動販売機が倒れることがある。
・多くの墓石が倒れる。
・自動車の運転が困難となり、停止することがある。 |
・家庭などにガスを供給する導管、主要な水道管に被害が発生することがある。(一部の地域でガス、水道の供給が停止することがある。) |
6弱 | ・立っていることが困難になる。 |
・固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。
・開かなくなるドアが多い。 |
・かなりの建物で、窓ガラスや壁のタイルが破損し落下する。 |
・建物の倒壊などにより、傾いたりする電柱もある。
・家庭などにガスを供給するための導管、主要な水道管に被害が発生する。(一部の地域でガス、水道の供給が停止し、停電することもある。) |
6強 | ・立っていることができず、這わないと動くことができない。 |
・固定していない重い家具のほとんどが移動、転倒する。
・戸が外れ飛ぶことがある。 |
・多くの建物で、窓ガラスや壁のタイルが破損し落下する。
・補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。 |
・ガスを地域に送るための導管、水道の排水施設に被害が発生することがある。(一部の地域で停電する。広い地域でガス、水道の供給が停止することがある。) |
7以上 | ・揺れに翻弄され、自分の意思で行動できない。 | ・ほとんどの家具が大きく移動し、飛ぶものもある。 |
・ほとんどの建物で、窓ガラスや壁のタイルが破損し落下する。
・補強されているブロック塀も破損することがある。 |
(広い地域で停電、ガス、水道の供給が停止する。) |
※危険信号(色分け)・・・「■」注意、「■」警告、「■」危険
地震が発生したらどうするの?
※地震が発生した場合は、津波も一緒に発生することを考えておく。
あなたが居る場所 | 地震が発生した時の行動 | ||
---|---|---|---|
屋内 | 自宅 |
・座布団などで頭を保護し家具から離れ、丈夫な机の下などに隠れる。
・あわてて外へ飛び出さない。
・火事が発生した場合には可能ならば火の始末(初期消火)、火元から離れている場合は無理して火元に近づかないようにする。 |
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学校など | 生徒 |
・座布団や防災頭巾などで頭を保護し、机の下などに隠れる。その際、机の支えをしっかり持つ。
・窓ガラスから離れる。
・あわてて外へ飛び出さない。
・体育館や運動場では、支柱などや窓ガラスから離れ、中央付近で一カ所に集まる。 |
|
先生 |
●地震発生後の行動:
・安全な場所まで誘導し、人数を確認する。
・避難場所で、再度、ケガや体調不良の有無を確認する。
・異常がないこと(生徒の人数、体調不良)を責任者(校長・教頭)に報告する。 |
||
商業施設など |
・施設の誘導係員の指示に従う。
・頭を保護し、揺れに備えて身構える。
・あわてて出口・階段などに殺到しない。
・ガラス製の陳列棚や吊り下がっている照明などの下から離れるようにする。 |
||
エレベーター | ・最寄りの階で停止させ、速やかにエレベーターから降りるようにする。 | ||
屋外 | 道路 |
・ブロック塀や自動販売機など倒れてきそうなものから離れる。 |
|
山やがけ付近 | ・落石やがけ崩れが発生しそうな場所から急いで離れる。 | ||
車両 | 自動車の運転 |
・あわててスピードを落とさず、ハザードランプを点灯させながら徐行し、周りの車に注意を促す。
・周囲の状況を確認して道路左側に停車させる。
・エンジンを止め揺れが収まるまで車内で待ち、揺れが収まったら、ドアをロックせずキーをつけたまま車外に出て、安全な場所へ避難する。 |
|
電車・バス |
・つり革、手すりなどにしっかりつかまり、車外に投げ出されないように気を付けるとともに、車掌または誘導員の指示に従う。 |
二次災害
津波、地盤沈下・液状化現象、火災、液状化、家屋倒壊、土石流、山崩れ(崖崩れ)、地滑り、大規模停電(ブラックアウト)
災害対策用品
基本資器材 |
ロープ、発電機、耐震用品 |
その他 |
シェルター、土のう、ブルーシート |
主な備蓄
主な装備
・災害活動者(消防、消防団、警察、自衛隊、医療従事者、ボランティア)
基本装備 |
ヘルメット(ゴーグル)、ヘッドライト(ハンドライト)、作業手袋、安全帯(作業帯)、救命胴衣、安全靴・長靴、腕時計、トランシーバー、救急・医療用品 |
その他の資器材の紹介 |
ロープ、レスキュー用品、サングラス、救助犬用品 |
・避難者
基本装備 |
ヘルメット、ヘッドライト、手袋、救命胴衣、長靴、防災セット |
もっと知りたい
直下型地震: |
日本列島はプレート運動の影響を受けているため、圧力が掛かった状態になっています。しかし、時間が経つと共に少しずつ岩盤に「ひずみ」がたまり、それが限界に達した時、岩盤が壊れ、断層が数時間で一気にズレ動きます。ズレ動く方向は、縦ズレ(逆断層)、両側に引っ張られる力でズレる(正断層)、横ズレ(横ずれ断層)します。地震は直下に浅い場所で発生するため、震源地上の家屋は、激しい揺れに襲われます。地震規模は、最大でマグニチュード7〜8と言われています。 |
海溝型地震: |
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込み、少しずつ「ひずみ」が蓄積されます。「ひずみ」が限界に達すると、大陸プレートが元の位置に戻るように、はね上がります。地震は、広域で揺れが生じ、また、海面が変動するため、津波が発生します。地震規模は最大で8〜9と言われています。特性として、海溝に近い沿岸部では地面が沈降したり、隆起したりすることがあります。 |